令和5年2月定例会で一般質問を行いました。

2月24日(金)、午前10時から21回目の一般質問を行いました。

 今回質問は3つのテーマを、

1つとして、4月に浪江町に開設される福島国際研究教育機構との連携について、本市はどのような方向性をもって進めていくのか。

2つとして、いわき市におけるヤングケアラーの現況と今後の支援体制について。

3つとして、鳥インフルエンザ等、特定家畜伝染病へのいわき市の防疫体制や支援の動きはどのようなものか

 一般質問をしましたので、質問原稿を掲載いたします。

 答弁については少しづづ載せていきます。

 おはようございます。14番 志帥会の西山一美です。

 まだまだ、寒い日は続きますが、梅の花やウグイスの鳴き声に、少しずつ春の訪れを感じるこの頃です。

   先日、学生時代の部活仲間と会う機会があり、顧問の先生から、教わった話になりました。自分の目標や課題をしっかりと言葉にして、それに向かって行動することで自身のモチベーションを保つだけではなく、その言動を見ているチームメイトにも波及していくことやチームの信頼を得るためには、自己中心的な言葉より、目で見せるプレイ、行動が一番大事であることなどなど、当時、多くの事を教えていただいたと話しました。

 コロナ禍の影響で行動が制限されてきた中、きつい言葉のやり取りだけが行きかう場面を多く見かけます。とんち話で有名な一休は、「今日ほめて 明日悪く言う 人の口 泣くも笑うも 嘘の世の中」と詠んでいます。

 まもなくウイズコロナに代わるこの時期に、「言行不一致」の状況から、一日も早く「言行一致」の日常に戻るようにならなければと思い、「まずは隗より」と思ったところです。それでは、通告順に従い、一般質問を行います。

 

1.福島国際研究教育機構(F-REI)との連携について 

 大きな質問の1番目は、「福島国際研究教育機構(F-REI)との連携について」です。

 本県浜通り地域において、新産業の創出や産業の国際競争力の強化をテーマに研究開発拠点を整備するイノベーション・コースト構想が着実に進められています。令和4年3月には、第二期復興創生期間として、浜通り地域に福島国際研究教育機構(F-REI)を設置するため、基本構想を公表しました。

  F-REI設置の目的は、福島をはじめ東北の復興を実現するための夢や希望となるものとするとともに、我が国の科学技術力・産業競争力の強化をけん引し、経済成長や国民生活の向上に貢献する、世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指すことであり、イノベーション・コースト構想を進めていく中において、大変意義のある国家プロジェクトです。

 その取組みは多岐にわたることから、産業振興や人財育成など多くの分野で、F-REIとしっかり連携しながら、ともに成長できる様、市長を先頭に対応していかなければならないものと思っています。

   そこで、イノベーション・コースト構想に対して、これまでどのように取組んできたのか。今後、構想の中核拠点であるF-REIとの連携に向けて、どのように進んでいくのかについて伺っていきたいと思います。

 

(1)1点目は、「これまでの取組みについて」です。

 内田市長就任直後の2021年10月定例会において、私は、「イノベーション・コースト構想」について、本市はどのように構想にかかわっていくのか質問をいたしました。

 その中で、構想に基づきながら、本市の産業の振興・集積に向けて様々な取組みが進められていることや高等教育機関で、廃炉人材育成のための高度な教育プログラムが実施されていることなど、様々な取組みが展開されている本市の状況について認識をしました。

   その後、イノベーション・コースト構想が着実に進む中、本年の4月には、構想の中核拠点であるF-REIが浪江町に設置されることで、構想がより一層加速していくことが期待されています。

 本市がF-REIとしっかりと連携を図っていくためには、あらためてこれまでの動きや現在の状況を把握することが重要だと考えますので、

 まず1つとして、イノベーション・コースト構想における本市の主な取組みについて伺います。

【答弁】 総合政策部長 福島イノベーション・コースト構想に基づき、本市におきましては、産業の振興・集積に向けて様々な取り組みが進められています。主なものを申し上げますと、まず、産業面では、高効率の石炭ガス化複合発電、IGCCが稼働しています。また、風力発電・蓄電池等のエネルギー関連分野での企業誘致や、地元企業が参画したサプライチェーンの構築などの取組みもあります。

   さらには、民間事業者による県内初の商用定置式水素ステーションが整備され、利活用の動きが広がってきています。加えて、地域復興実用化開発等促進事業を活用し、地元企業のロボット・エネルギー等に関連する研究開発の取組みが数多く促進されています。

 次に、人材育成面では、福島高専において、東京大学先端科学技術研究センターとの連携により、風力発電産業における人材育成に取り組んでいます。加えて、東京大学アイソトープ総合センターと連携した先駆的な取組みも展開されています。さらには、市内の高等学校6校において、地域企業と連携し、イノベ構想を担う人材の育成に取り組んでいます。

 このように、イノベ構想を軸としながら、浜通り地域の復興と持続可能な地域経済の活性化に向けた取組みが推進されているところであります。

 そこで、これから動き出す中核拠点となるF-REIですが、担う主な機能については、研究開発機能として、ロボット、 農林水産業、エネルギー、放射線科学・創薬医療・放射線の産業利用、原子力災害に関するデータや知見の集積・発信。また、産業化機能、人材育成機能、司令塔機能と多岐にわたっており、その中には、本市が連携して進めていける分野も数多くあると考えます。

 そこで2つとして、イノベーション・コースト構想の核であるF-REIに関する本市の役割を、どのように考えているのか伺います。

 【答弁】総合政策部長 本市は、産業基盤、都市基盤、高等教育機関のネットワークなどのポテンシャルを有しています。このようなことから、本市といたしましては、F-REIの機能が最大限発揮できるように、市内産学官の関係機関が一体となり、連携に取り組み、本市のポテンシャルを余すことなく提供する役割を担っていると認識しています。

 これから着実に取組みを行っていくには、F-REIの基本構想に掲げる研究分野がかなり多く、拠点設置の自治体だけではその活動が限られますので、本市も貢献できる分野については、しっかりと主張しながら進めていくことを要望したいと思います。

   そこで、連携を進めるための本市の体制はどのようになっているのか、その内容ついて伺います。

 

(2)そこで2点目として、「福島国際研究教育機構(F-REI)との連携に係る市推進協議会について」です。

 本市においては、昨年の7月、医療創生大学、東日本国際大学、福島高専、いわきコンピュータ・カレッジなどの高等教育機関やいわき商工会議所、いわき地区商工会連絡協議会、いわき産学官ネットワーク協会の産業支援機関そして行政という構成による産学官の関係機関が一体となって連携の推進に取組むため、F-REIとの連携に係る市推進協議会を立ち上げたとのことでありました。協議会が作られ約半年が経ちましたが、

 まず1つとして、これまでの市推進協議会の動きはどのようなものだったのか伺います。

【答弁】総合政策部長 市協議会は、産学官の関係機関が一体となり取り組むため、市長を会長に各機関の代表者を構成員として、昨年7月に設置しました。これまで2回会合を開催し、国等の動向や各機関の取組みに関する情報共有・意見交換を実施しました。

 また、各機関からの要望事項を踏まえ、昨年12月には、復興大臣や県知事に対し、要望活動を行うなど、本市の実情に即したF-REIとの連携に向けた取組みを進めています。                    

 協議会として、国や県の動向などの情報共有や意見交換そして要望活動の実施など、積極的に取組んでいることがわかりましたが、

 それでは2つとして、構成員からの主要な意見や要望など、その内容にはどのようなものがあったのか伺います。

【答弁】総合政策部長 市協議会における構成員からの主な意見等は、本市は、F-REIが機能を最大限に発揮できるよう、産学官が一体となり、積極的に関わる必要があること、また、高等教育機関の存在や関連産業の集積、研究者等の住環境などのポテンシャルを積極的に情報提供し、その連携方策を求めること、さらに国・県等に対し、時機を捉えて、協議会として所要の働きかけを行っていくべきことなどのご意見をいただいたところです。

 市推進協議会の中で出た意見や要望などは、F-REIとの連携にしっかりと反映できるよう、これからの動きに期待したいと思います。

 そこで3つとして、今後の市推進協議会の取組みはどのようなものか伺います。

【答弁】総合政策部長 市協議会においては、各機関における取組の促進を図りながら、産学官が一体となったF-REIとの連携を進めていくこととしています。人材の育成においては、高等教育機関におけるカリキュラムの充実強化などが重要です。

   また、産業化においては、産業支援機関におけるF-REIの研究を社会実装につなげる環境整備の取組みなどが重要です。それぞれの関係機関においてその取組みを進めていくこととしています。

 市協議会においては、それらの取組みを効果的にF-REIにつなげ、そしてその効果を市内に広く波及させていきます。さらには、F-REIの施策に反映できるよう、国・県等に対し、本市の取組み状況や連携に係るポテンシャルを提案するなど、産学官が一体となった取組みを進めていきたいと考えております。                      

 これまでも市推進協議会を通して多くの動きがあり、今後もしっかりと進めていくことがわかりましたが、国の動向に注視しながら、本市のストロングポイントである産業基盤や都市基盤、高等教育機関のネットワークなどをアピールし、F-REIの基本構想に沿った活動における役割をしっかりと担ってほしいと思います。

 

次に、(3) 3点目は、「今後のさらなる連携に向けた取組みについて」です。

 本市は、「産業界との連携」、「高等教育機関との連携」、「国際的おもてなし」の3本柱を軸に、いわき版「骨太の方針」にも掲げたとおりF-REIとの連携を図るとしていますが、それぞれに対しどのように動いていくのかその内容について伺っていきます。

 まず1つとして、産業界との連携に向けた今後の取組みはどのようなものか伺います。

【答弁】総合政策部長 F-REIと産業界との連携により、研究開発を通したイノベーションを加速し、新たな産業基盤の創造や、既存産業の発展を成し遂げることが重要です。このため、F-REIでの研究成果の産業化・実用化の拠点形成を目指します。

 具体的には、F-REIの研究を社会実装につなげる環境整備を進めます。また、スタートアップや事業再構築など、挑戦を促す環境整備にも取組みます。これらの取組みにより、雇用創出や若者還流を実現します。

   本市では、F-REI新産業創出等研究開発基本計画にある、農業、水産業廃炉、ロボット、そして木質バイオマスをはじめとしたエネルギー関連など数多い分野において、連携協力できる地元企業がありますので、研究参加への動きについても、しっかりと前に進めるようお願いします。

 次に2つとして、高等教育機関等との連携に向けた今後の取組みについて伺います。

【答弁】総合政策部長 F-REIと高等教育機関等との連携により、地域の未来を担う人材、研究・産業を担う人材の育成を目指します。

 このため、福島高専における専攻科の充実等に向けた取組みを進めます。また、市内大学等における教育プログラムの構築や、地元企業等との連携による人材育成の促進などに取組んでいきます。

 F-REIでの様々な分野で研究開発などをする人材の育成や医療や創薬の共同研究など、高等教育機関との連携は欠かせないものです。

   本市そして高等教育機関においても、今後の連携を想定した人材育成カリキュラム等の構築について、研究に対する財政支援や就職相談など、きめ細かな対応を進めていただきたいと思います。

 3つとして、国際的なおもてなしに係る今後の取組みはどのようなものか伺います。

【答弁】総合政策部長  本市は、学術発表の場となる国際会議やレセプションの円滑な受入れなどに関する経験、ノウハウ、施設等を有しています。また、外国人の方が快適に暮らせるよう商業施設や医療施設、さらには教育施設など生活を支える環境も充実しています。加えて、いわきFCなどのスポーツ観戦、いわきアリオスでの催しなど、エンターテインメントを楽しむ環境も充実しています。

 これらにより、国際的なおもてなしを充分に提供することができるものと捉えており、今後、F-REIの国際的な研究教育活動に関する展開等を踏まえ、適時適切に対応していきたいと考えています。

 4月15日には、いわきワシントンホテルで、F-REI設立記念シンポジウムが開かれます。200名の参加とWEBでも配信する予定だと聞いています。また19日にも、国際シンポジウムが同じ会場で開かれるとのことです。

   これからは、国際会議や、レセプションの受け入れ、それに伴なう通訳業務を担う人材の確保、さらには、外国人研究者への生活環境支援などと、これは、ほんの一例ですが、様々なニーズが出てくることが想定されますので、これからの国の動向を迅速に捉えることと、本市としての現状課題をしっかりと把握することが大変重要だと考えます。

 また、今後発足予定の法定の協議会に市長自らが参画して、直接意見を述べていくということも重要だと考えます。

 そこで4つとして、国等のこれからの動向はどのようなものか伺います。

【答弁】市長 F-REIについては、創造的復興の中核拠点として、研究開発、産業化、人材育成機能などを有しておりまして、本年4月に開所されます。同月には、本市にて設立記念シンポジウムやF-REIが初めて取り組む国際会議が、海外から多くの研究者が集まり開催されることになっています。また、国・県及び浜通り地域の市町村長が参画する法定の「新産業創出等研究開発協議会」が発足することとなっておりまして、私も参画要請を受けております。

 さらに、大学・高専・高校等を対象としたトップセミナー、理事長による浜通り地域自治体での座談会などが順次実施される予定とされております。加えて、県においては、F-REIを核とした研究開発、産業化、人材育成に関する広域ネットワーク形成の促進や、周辺環境整備の推進に取組むこととしています。

 これら国・県等の動向を踏まえまして、発足予定の法定協議会に私も積極的に参画しながら市協議会とも連携を図り、本市のポテンシャルや取組みについて発信・提案するなどを行いまして、F-REIとの連携促進に向け、鋭意取り組んでいきます。

 5つとして、現在における諸課題についての認識はどのようなものか伺います。

【答弁】総合政策部長 現時点において、F-REIとの連携に向けては、F-REIにおける研究内容や産業化、人材育成の取組みの詳細やロードマップ等が不透明であること、またF-REIの効果をどのように広域的に波及させるのか不透明であること、さらにF-REIが設立準備中のため、連携窓口の体制が確立されていないことなどがあり、これらを早急に明らかにしていく必要があるものと考えています。           

   本市としての現状の課題をしっかり精査し、粘り強く活動していただくことをお願いいたします。

 そこで6つとして、国の動向を踏まえた連携強化に向けた今後の本市の方向性について伺います。

【答弁】市長 F-REIは、最先端の産業創出と集積をもたらしまして、生活基盤の再生も含めまして、浜通り全体の力強い復興、そして創生の原動力となります。加えまして、既存産業の底上げ、若者や女性の雇用、研究教育の場として、人口減少など地域の共通課題への解決の糸口にもなってまいります。F-REIにおきましては、今後、中期計画等に基づき研究開発等が拡大し、これに伴いまして、多くの企業や大学等も関与していくこととなりまして、本市を含めた浜通り地域に大きな影響をもたらすことが想定されております。

 このようなことを踏まえ、私といたしましては、浜通り地域の中核的都市としてのいわき市の役割に鑑みまして、F-REIとも充分連携を深めながら、浜通り地域のさらなる発展のために尽力してまいりたいと考えております。

 F-REIの設置により、本市は、若者の雇用やUIJ人材の増加、浜通り地域企業への雇用促進などをはじめとした、多方面での好循環が期待できます。

   成長産業を創るべき人材の育成や、市内の高校生や大学生など、若者の地元での雇用体制をどのようにしてさらに前に進めていくのかについては、大変重要な課題だと捉えられています。

 将来、しっかりといわき市を多方面から支えてくれる人材の醸成へのさらなる支援もお願いし、機構との連携に向けた本市の方向性に沿って、新たに配置される二人のF-REI連携企画官を軸に、様々な政策プランが、関係団体や教育機関の協力のもと、着実に前へと歩を進めていただけるよう要望して、次に移ります。

 

 

2.本市におけるヤングケアラーの状況について 

 大きな2番目の質問は、「本市におけるヤングケアラーの状況について」です。

 市長は、いわき版「骨太の方針」の「三つの柱」、次世代を育てるという項目の中で、ヤングケアラーへの支援充実を掲げました。

 昨年11月に行った志帥会からの市政執行並びに予算編成に関する要望書においても、「あらゆる子どもが安心できるまちづくり」として、本市におけるヤングケアラーの実態把握を早急に進めることや相談支援を担う人材の育成など、ヤングケアラーの負担軽減や解消を図るための施策をしっかりと進めていくことについて要望をいたしました。これまでも、ヤングケアラーに関する質問は多くありましたが、あらためて最新の状況、そして新たな取組みについて、これまでの経過を踏まえ、質問をいたします。

 

(1)1点目は、「本市のヤングケアラーの現状について」です。

 これまでの国が行った実態調査などを踏まえ、本市では、児童相談所教育機関、各種医師会などの関係機関で構成する市要保護児童対策地域協議会において、ヤングケアラーの早期発見や情報共有の一層の強化を図ることにより、有効な支援策を進めていると聞いています。

 そこで1つとして、これまで行ってきた国や県による支援の動きはどのようなものだったか伺います。

【答弁】こどもみらい部長 国は、令和2年度に中学2年生と高校2年生を、令和3年度には小学6年生等を対象として、ヤングケアラーに関する実態調査を実施しました。この調査結果を受け、厚生労働省及び文部科学省によるプロジェクトチームを設置し、ヤングケアラーを早期に発見し、必要な支援につなげるために取り組むべき施策について、検討が進められました。令和4年3月には、その検討結果等を踏まえ、「ヤングケアラー支援体制強化事業」を創設し、市区町村等がヤングケアラーを支援するための体制整備に必要な経費等に対する助成などを行っております。また、県は、令和4年5月から「福島県ヤングケアラー支援体制強化事業」に取り組み、県内の小学5年生から高校3年生までの生徒児童を対象としたヤングケアラーの実態調査や、支援者研修などを実施しております。                                                      

 国は、令和4年度から6年度までを社会的認知度向上のための集中取組み期間と位置づけるとともに、令和5年度には子ども家庭庁を設置し、その中においてヤングケアラー支援を大きな柱の一つと位置付けました。県もヤングケアラーの支援について、当面の目的を、1つとして、周知啓発による自覚、周囲の大人の気付きを促進すること。2つとして、詳細な実態の把握。3つとして、ヤングケアラーが担っている家事や家族の世話を公的サービスで対応し、「子どもの時間」を確保することとしています。

 本市も、そのような動きに合わせ、各種の事業を進めているとのことでしたが、

 2つとして、現在、本市では、ヤングケアラーをどの程度把握しているのか伺います。

【答弁】こどもみらい部長 本市がヤングケアラーとして把握し、支援しているケースは、令和5年1月31日現在では5件となっております。なお、前月末日の支援ケース数と比較しますと3件の減となっており、その内訳としましては、市外転出による終結が1件、既存サービスの導入等によりヤングケアラーの家事や育児の負担軽減による終結が2件となっています。また、本年2月に公表された、県による「ヤングケアラー実態調査」の結果速報では、「世話をしている家族がいる」と回答した児童生徒は、県全体で、約6,000人となり、そのうち本市に通う児童生徒は約1,200人となっています。次に、世話をしている家族がいると回答した児童生徒のうち、「自分がヤングケアラーと思う」と回答している児童生徒は、県全体で約600人となり、そのうち、本市に通う児童生徒は約100人となっております。県の調査結果を踏まえますと、本市には、発見されていない潜在的なヤングケアラーがいるものと想定され、早期発見が必要と認識しております。                                                            

 現在、本市では5件を把握し、今回2件において、関係各機関の連携の成果により、ヤングケアラーの負担が軽減されたことがわかりました。しかしながら、潜在的なヤングケアラーの発見は、大変難しい問題です。基本的にヤングケアラーは家庭内の問題で、子どもが家事や家族の世話をすることは普通のことと思いがちです。 

 ヤングケアラーの状態とは、食事の準備、掃除や洗濯といった家事、見守り、きょうだいの世話や感情面のサポートなどをすることであり、厚生労働省のホームページでは、本来は大人が担うと想定される家事や家族の世話などを日常的に行っており、本来なら受けることのできる勉強の時間や部活、将来に思いを巡らせる時間、そして友達との時間など、「子どもとしての時間」と引き換えにしている状況としています。人にもよりますが、自分の時間が取れないことや勉強する時間が充分にないこと、ケアについて話せる人がいなくて孤独やストレスを感じる。友達と遊べないことや睡眠が充分に取れないというヤングケアラーは少なくないとのことです。そのような状況から、少しでも良い方向に進めていくための早期発見の対策と様々な支援が必要です。

 これまでの本市の状況は分かりましたが、相談支援体制の取組みなどについて本年度はどのようなものだったのか、

 

(2)2点目として、「本年度の取組み状況について」伺ってまいります。

 本市は、これまで支援体制が整備されておらず、地区保健福祉センターを中心に既存の福祉サービスの活用を図りながら支援を行ってきたとのことでした。そのような背景のもと、本年度から相談支援体制の整備を進めているとのことですが、

 そこで1つとして、本年度はどのような取組みを行ったのか伺います。

【答弁】こどもみらい部長 本年度の取組みとしましては、ヤングケアラーについての社会的認知度の向上と相談支援体制の整備を行ったところです。社会的認知度の向上としましては、市公式ホームページへの情報掲載や、公共施設等へのポスター等の設置、さらには、市内の小・中学校の児童生徒に対し、ヤングケアラーの情報を盛り込んだ「児童虐待防止啓発リーフレット」を配布するなどの取組みを行っております。次に、相談支援体制の整備とした「ヤングケアラー支援に向けた庁内連携会議」を開催し、支援体制の整備等に関する協議を行いました。また、関係機関と連携した支援体制の整備に向けて、ヤングケアラーを含む要保護児童等への適切な支援を図ることを目的とした要保護児童対策地域協議会での協議を行ったうえで、相談支援体制を整備し、昨年11月から運用を開始したところです。

 庁内連携会議や要保護児童対策地域協議会を実施していくことで相談支援体制の整備を進めてきたとのことでしたが、

 それでは2つとして、本年度、庁内連携会議では具体的にどのような協議を行ったのか伺います。

【答弁】こどもみらい部長 ヤングケアラーの問題は、家族が抱える様々な課題が関係し合い、複合化しやすい特徴があり、ヤングケアラーの支援にあたりましては、福祉、介護、医療、教育等といった様々な分野が連携し、ヤングケアラーを早期に発見し、支援を行うことが必要となります。このことから、庁内連携会議では、こども家庭課のほか、保健福祉課、障がい福祉課、地域包括ケア推進課、学校教育課、平及び勿来・田人地区保健福祉センターの関係7課等を構成員とし、ヤングケアラーの現状と支援の必要性について共通理解を深め、関係機関連携による相談支援体制について協議を行ったところです。具体的な内容としましては、ヤングケアラーの早期発見に向けた関係機関等への周知、相談支援機関の設定、発見後の支援の流れや関係機関との連携方法などについて協議を行ったものです。                                                     

 ヤングケアラーに関係する部署の7課等がしっかりと連携し、情報を共有しながら支えていくことが大変重要です。さらに将来的には、一元的にヤングケアラーの各種支援事業などを、ワンストップで受付け対応する部署の検討も要望いたします。それでは、これまでの協議を踏まえた相談支援機関など、

 3つとして、本市の相談支援体制はどのようなものか伺います。

【答弁】こども未来部長 相談支援体制としましては、本市のヤングケアラーの相談支援機関を各地区保健福祉センターとし、こども家庭課と連携しながら支援を行う体制としました。また、ヤングケアラーに係る支援は、関係機関との連携のもとに行っていくことが重要であるため、ヤングケアラーを要保護児童対策地域協議会の支援対象となる「要支援児童」に位置付け、同協議会で情報共有や進行管理を行っていくこととしました。

 潜在的なヤングケアラーに対して、自分のことや家のことを話すことは勇気がいることでも、あなたの話を聞いて、共感してサポートしてくれる人が必ずいるので、学校の先生やスクールカウンセラー、親戚、友達などの信頼できる人に相談してほしいということを本市においても、しっかりと周知していくようお願いします。

 

(3)それでは3点目は、「負担軽減に向けた今後の取組みについて」です。

 ヤングケアラーの存在に気付くためには、子ども達、またはケアの対象となる家族に関係する様々な人が、ヤングケアラーがいるかもしれないという意識を常に持つことも重要だと言われており、多くの方が関わっていくことで早期の発見につながっていくものと思いますが、

 そこで1つとして、本市として今後、ヤングケアラーの発見をどのように進めていくのか伺います。

【答弁】こども未来部長  ヤングケアラーを早期に発見するための今後の取組みとしましては、社会的認知度の向上を図ることが非常に重要であると考えています。社会的認知度の向上の具体策としましては、市内の小学校から高校生までの児童生徒及び教育機関や福祉関係機関に向けたリーフレットをそれぞれ作成・配布し、児童生徒には自覚を促すことで相談につなげ、また、関係機関等では意識の醸成を図ることで早期発見につなげてまいります。また、広く市民に周知することを目的として、市役所出前講座に「ヤングケアラー」に関するメニューを新たに開設し、地域全体で早期発見に努めてまいります。さらに、ヤングケアラーを発見する可能性が高い教職員及び福祉関係者向けに研修会を実施し、ヤングケアラーの理解や発見に向けた着眼点等への理解を深めていただくことで、早期発見につなげてまいります。

 早期発見のための支援策として、社会的認知度の向上と研修会の実施などを通して支援力を向上させるとのことでしたが、

 2つとして、 新たなヤングケアラー発見後、具体的な支援をどのように行っていくのか伺います。

【答弁】こども未来部長 発見後は、ヤングケアラー本人や家族等の状況について調査を行った上で、地区保健福祉センター及び子ども家庭課の職員、また、必要に応じて関係機関を招集してケース会議を開催し、把握した情報を基に、支援の必要性について協議いたします。協議の結果、支援を要すると判断されれば、ケースに応じた支援方針を決定し、関係機関ごとの役割を明確化した上で、連携した支援を実施いたします。

 それぞれの家庭環境により対応も違ってくることから、ケース検討会議を行って支援を始めるとのことでしたが、

 3つとして、ケース検討会議での具体的な内容とはどのようなものになるのか伺います。

【答弁】こども未来部長 現在把握しているケースにつきましては、全件、ケース検討会議を実施しておりますが、ケースごとに世帯状況や抱えている課題に違いがあり、支援内容も異なるものです。実際に支援している一例を申し上げますと、世帯状況としては、ひとり親家庭で就労している保護者に代わり、障がいを有する妹の身の回りの世話を行うヤングケアラーへの支援を検討しました。本人への支援策としましては、負担軽減策として妹への障害福祉サービスの活用を、過度な介護負担による学力低下への支援策として市が行う学習支援事業の活用などを検討し、複合的な課題解決に向け、関係機関が連携して支援を開始したところです。                                                 

 ケアすべき家庭の丁寧な実態の調査とケース検討会議での決定方針に基づく速やかな支援の実施をお願いします。また、要保護児童対策地域協議会など関係機関と連携した取組みが大変重要だと考えますが、

 4つとして、支援体制強化のために関係機関との連携をどのように考えるのか伺います。

【答弁】こども未来部長 ヤングケアラーを早期に発見し、支援につなぐためには、福祉、介護、医療、教育等に係る関係機関・団体が個別に機能するだけでなく、お互いの業務を理解したうえで、連携して取り組むことが重要と考えております。そのため、要保護児童対策地域協議会において、ヤングケアラーケースの情報共有や進行管理等を行うこととしたほか、協議会の構成員に、新たに、高齢者福祉、障がい者福祉及び生活困窮支援に携わる関係機関を追加し、分野を超えた多機関の連携強化を図ることとしたところです。                                                               

 庁内の関係部署は勿論のこと、しっかりと関係機関と連携して、支援体制の強化を進めていただきたいと思います。

 それでは5つとして、令和5年度の取組みについてはどのように進めていくのか伺います。

【答弁】市長 私は、ヤングケアラーへの対応については、市政運営の根幹に捉えております人づくりに関わるものと捉えております。令和5年度におきましては、児童生徒や関係機関に向けたリーフレットの配布や市役所出前講座へのメニュー開設などによりまして、社会的認知度の向上をまずは図ってまいります。また、教職員や福祉関係者を対象とした研修会を開催するほか、こども家庭課内にヤングケアラーコーディネーターを配置し、関係機関との連携調整や支援のアドバイスを行い、支援力の強化に努めてまいります。さらに、本人の負担軽減のために、対象となる世帯に訪問支援員を派遣いたしまして、ヤングケアラーが担う家事や育児を支援する訪問支援事業を実施いたします。    

 関係機関が、それぞれの立場からサポートすることともに、それを統括して最善の方向に導く司令塔の役割をする人材が必要であり、それを踏まえたヤングケアラーコーディネーターの配置は、情報の共有や指揮系統の一本化など、その効果は大きいものと思います。また、ヘルパー派遣による訪問家事・育児支援は、しっかりと機能すれば、家事を担っている子どもの負担軽減に即効果が見込めることから、今後、大きな支えになっていくものとして期待したいと思います。

 さらに、様々な支援によって負担が軽減した後も、子どもたちが当たり前に学校生活や就職が続けられるような長期的なフォーロー体制の早期確立について、強く要望いたします。

 いわき版「骨太の方針」子育てのキャッチコピーである子どもまんなか笑顔と夢がひろがるまち「いわき」の言葉の通り、本市における次世代を育てる重要事業のひとつとして、確実な事業の推進を心よりお願いして、 次に移ります。

 

 

3.本市の特定家畜伝染病への対応について 

 大きな質問の3番目は、「本市の特定家畜伝染病への対応について」です。

 最近、これまでは家計的に安くて比較的安定した商品であった、たまごや鶏肉の価格が上がっており、家庭の台所事情に影響が出ているとの報道を目にします。

 民間企業調査によれば、昨年2月のたまごMサイズの1キログラム当たりの卸売価格の基準値は175円だったものが、今年の2月14日現在335円と約91%上昇しており、鶏モモ肉は昨年と比較し22.3%、同じくムネ肉は昨年と比較し26.9%上昇しているとのことです。企業担当者によれば、ウクライナ戦争などにより、輸入穀物が容易に入ってこないため、生産者が飼育数を抑える傾向にあることで生産量が減っていることや高病原性鳥インフルエンザの発生により生産地が打撃を受けていることなどが価格上昇の主な理由とのことです。

 本年1月末に出された農林水産省の文書では、肉や卵そして羽毛などを利用するために鳥を飼育している家きん農場における高病原性鳥インフルエンザは、昨年の10月28日に今シーズン最初の発生を確認し、それ以降、発生の事例や殺処分数について、過去最大であった令和2年度のシーズンを上回り推移していることから、引き続き、発生予防及び万が一の発生時における早期封じ込めのための迅速なまん延防止を徹底するなど、全国的に最大限の警戒を持って対応する必要があると述べています。

 特定家畜伝染病について、家畜伝染病予防法及び特定家畜伝染病防疫指針に基づき行政等で対応するとのことですので、その内容などについて伺ってまいります。

 

(1)1点目は、「これまでの特定家畜伝染病の発生状況について」です。

 1月に公表した農林水産省の資料によりますと、令和4年度については、鹿児島県など23道県において、養鶏農場など56例の殺処分を実施し、飼育されていた肉用鶏など約998万羽が殺処分となり、年が明けてからも、さらに増加しているとのことです。そこで、今年度の県内での状況はどうなのか、

 まず1つとして、県内の家きん農場における高病原性鳥インフルエンザなどの発生状況について伺います。

【答弁】農林水産部長 県内では、高病原性鳥インフルエンザが昨年11月29日に、伊達市の養鶏場で初めて発生し、約1万4,000羽の肉養鶏が殺処分されたところです。また、同年12月7日に、飯館村の養鶏場で県内2例目となる事例が発生し、約10万3,000羽の採卵鶏が殺処分されたところです。

  本県においても採卵鶏や肉用鶏に初めての感染が確認されたとのことですが、特に、たまごを取る鶏約10万羽以上が殺処分されたことは、県内鶏卵の流通事情に、少なからず影響はあったものと思いますが、本市の状況はどのようなものか、

 2つとして、市内における家きんの飼養状況について伺います。

【答弁】農林水産部長 市内の飼養状況につきましては、令和4年2月1日時点で申し上げます。家きん農家数は47、飼養羽数は肉養鶏が約9万1,000羽、採卵鶏が5万1,000羽、きじ等のその他の家きんが約1,000羽の合計約14万3,000羽となっています。

 全国の発生傾向やすでに県内でも発生していることを考えますと、本市の家きん農家においては、常に鶏の状態を把握し、異状について確認することが大変重要だと思いますが、

 3つとして、飼養農家がどのように家きんの異状を発見するのか伺います。

【答弁】農林水産部長 国が定める家きんの飼養衛生管理基準において、飼養農家は、日々の健康状態に加え、死亡した状況等の確認を行うこととされています。そうした日々の観察において、同一家きん舎内の家きん1日当たりの死亡率が当日から遡って21日間平均の2倍以上となるなどの症状が確認された場合には、直ちに県の家畜保健衛生所に通報することとされています。

  鶏などの家きん飼養者をはじめ、家畜を飼養する皆さんは、伝染病を予防するために、日頃から適切な飼養衛生管理を実施することが重要であり、家畜伝染病予防法では、家畜の衛生管理の上で、最低限守るべき基準(飼養衛生管理基準)を定め、その遵守を義務付けています。

 早期発見や早期通報以外にも、家きん舎に立ち入る場合の手指消毒や使用している器具の定期的な清掃、野鳥やネズミといった野生動物が侵入しないようネット等を設置し、そのネット等の点検や修繕、害虫等の駆除など伝染病のまん延防止のための様々な取組みを行うこととされています。

 市内の家きん農家の皆さんにおいても、国や県の指針に沿った形で、しっかりと「飼養衛生管理基準」を守りながら頑張っているものと思いますので、サポートする行政の体制はどうなっているのか、

 

(2)2点目は、「本市の特定家畜伝染病に関する体制について」伺います。

 新聞等の報道によりますと、県内の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの防疫作業においては、数多くの県職員等が動員され、該当する養鶏場の家きんの殺処分や埋却作業を実施し、完了したとのことでした。本市でも万が一、高病原性鳥インフルエンザなどの発生が確認された場合、県と連携した対応を取ることとなると思いますが、1つとして、市の特定家畜伝染病に関する体制はどのようなものか伺います。

【答弁】農林水産部長 本市の特定家畜伝染病に関する体制としまして、関係部局の連携の下、情報の共有を図り、市民の皆様への情報提供や必要な方策等を協議・検討するための「市特定家畜伝染病庁内連絡会議」を設置しています。また、市内において特定家畜伝染病が発生した場合には、県と連携を図りながら、総合的かつ円滑に特定家畜伝染病対策を実施するため、「市特定家畜伝染病対策本部」を速やかに設置することとしています。

  次に、2つとして、イ.いわき市特定家畜伝染病対策本部の構成はどのようになっているのか伺います。

【答弁】農林水産部長 市特定家畜伝染病対策本部につきましては、同対策本部設置要綱に基づき、本部長については市長、副本部長については副市長が当たりまして、本部員として各部等の長により構成することとなっています。

  本市では、高病原性鳥インフルエンザなどの特定家畜伝染病全般への対応を可能とした体制を整備し、県と連携を図りながら防疫作業を進めるとのことですが、平時から県との情報の共有などが不可欠だと思います。

 そこで3つとして、県との情報共有など連携の強化をどのように図っているのか伺います。

【答弁】農林水産部長 県との情報共有など連携の強化につきましては、福島県いわき農林事務所長が招集する特定家畜伝染病いわき地方連絡会議へ担当部署が出席するなど、県との情報共有等に努めてきたところです。また、庁内におきましては、市特定家畜伝染病庁内連絡会議を開催し、地方連絡会議で提供を受けた情報の共有を図るなど、万が一の特定家畜伝染病の発生に備えています。今後におきましても、県をはじめとする関係機関・団体との情報共有等に努め、連携を強化してまいります。

  県が主体となる会議を受け、その提供された情報を市の連絡会議に伝達し、庁内での情報共有を図るとのことでした。今後も、県との連携をさらに深め、情報の収集や周知など、有事に備えて、引き続き、しっかりと対応していただきたいと思います。

 

(3)次に3点目として、「特定家畜伝染病に対する対応などについて」伺います。

 大分県が作った市町村特定家畜伝染病対策マニュアルによれば、行政として通常時に行う対策について、家畜飼養者に対する指導や防疫演習。そして庁内研修会の実施。さらには市民等への啓発や情報提供などがあります。本市においても、万が一、特定家畜伝染病が確認された場合に行政としてはどのような動きをするのか、

 まず1つとして、高病原性鳥インフルエンザなどが疑われる家きんの届け出を受けた場合の行政の対応はどのようなものか伺います。

【答弁】農林水産部長 県の家畜保健衛生所が家きんの所有者等から届け出を受けた場合には、直ちに家畜防疫員が当該農場へ立ち入り、簡易検査を実施いたします。また、採取した精密検査材料の遺伝子検査を実施し、病勢判定を行うこととしています。また、その検査結果については、県・市及び関係機関・団体で情報共有し、速やかな家畜防疫作業の実施に努めることとしています。

  家きん農家等から本市を管轄する家畜保健衛生所に通報があった場合、家畜保健衛生所の職員が立ち入り検査を実施するとのことでした。また、県との連携のもと、市が防疫作業を実施するにあたっては、どのような役割を果たしていくのか、

 2つとして、 高病原性鳥インフルエンザが確認された場合の防疫作業について伺います。

【答弁】農林水産部長 高病原性鳥インフルエンザが確認された場合の防疫作業につきましては、家畜伝染病予防法に基づき、県が主導して実施することとされています。その具体的な内容としましては、原則、要請が確定されてから24時間以内に農場内の全ての家きんの殺処分を完了し、72時間以内に埋却もしくは焼却処分を完了させることとなっています。また、感染拡大防止のため、発生農場から半径3㎞以内の区域を家きんの移動を制限する「移動制限区域」に設定し、発生農場から半径10㎞以内の移動制限区域に概説する区域を、家きんの当該区域からの搬出を禁止する「搬出制限区域」に設定することとされています。加えて、それぞれの区域の境界に当たる道路上に、出入りする車両等の消毒ポイントを設置することとされています。

   速やかな防疫作業を実施していくためには、事前にしっかりと役割分担をしておくことが重要だと考えます。

 そこで3つとして、防疫作業に係る本市の役割について伺います。

【答弁】農林水産部長  防疫作業に係る本市の役割といたしましては、県から要請のあった場合には家畜伝染病予防法に基づき、防疫作業に協力することとなっています。主な業務内容としては、消毒ポイント等で実施する現地防疫作業への人員派遣、防疫作業に必要となる資材の貸し出し、道路等における防疫作業に係る通行車両の消毒ポイントの確保等となっています。

   感染拡大防止のために、特定家畜伝染病にり患した家畜そして感染が疑われる家畜はすべて殺処分を行うこととなり、畜産農家にとっては多大な経済的損失をもたらすこととなります。これに対して、国などからの様々な支援が必要だと思いますが、その支援はどのようになっているのか、

  4つとして、高病原性鳥インフルエンザが発生した家きん農家に対する支援はどのようなものがあるのか伺います。

【答弁】農林水産部長  高病原性鳥インフルエンザが発生した家きん農家に対する支援につきましては、国は、家畜伝染病予防法に基づき、殺処分となった家きん等の損失額を基準に算定した家畜伝染病予防費手当金を交付し、経済的損失を補填することとされています。また、家きん等の処分により、深刻な影響を受けた農家の経営再開等を支援する国の融資制度として、家畜疾病経営維持資金や農林漁業セーフティネット資金などのほか、生産者自らが積み立てを行い経営再開までに必要な経費等を相互に支援する家畜防疫互助基金支援事業などが実施されています。

 家きん農家への支援対策として、発生農場において殺処分された家きんの数分の補償を進め、発生により生じた経済的損失を補填する制度や経営を再開する場合の融資制度など、発生した農場が経営再開までに必要な支援があることが分かりました。

   また、発生した場合においても、県と連携し、家きん農家に対する防疫作業を行っていく流れであり、防疫体制や家きん農家への支援等に対する体制は、ある程度整っていると感じました。

 しかしながら、その補償などをしっかりと利用できないと意味がありません。飼養を続ける意欲を持ち続けていただくための給付型補助の新設、さらには、風評対策などについても、機会を捉えて国や県にしっかりと要望してほしいと思います。万が一の場合に備え、家きん農家の皆さんに寄り添った対応を強く要望します。

 また、消費者の皆さんに対しても丁寧な説明が必要です。

   国産の鶏肉は「食鳥検査法」に基づき、食鳥検査員(獣医師)または食鳥処理衛生管理者によって3段階にわたり、病気や異常がないか検査することが義務付けされ、厳しい基準に合格されたものだけが出荷されており、鶏卵についても、「食品衛生法」に基づき策定された衛生管理要領に従って、厳格な品質管理下で供給されていますので安全であるとのことです。

  WHO(世界保健機関)によりますと、インフルエンザウイルスは、調理の際、食品の中心温度70℃への加熱により死滅するとされており、万が一、鶏肉や鶏卵にインフルエンザウイルスが存在しても胃液で不活化するとされています。

 農林水産省の高病原性鳥インフルエンザ疫学チームの報告によれば、昨シーズンは、2月以降、渡り鳥の北帰行に伴って東北・北海道での発生が多く確認され、引き続き厳重な警戒が必要であり、今シーズンは、全国的に野鳥での感染が広がっていることから、少なくともウイルスを持つ渡り鳥がすべて北帰行するまで、関係機関は、最大限の警戒感を持って対応することとしています。

 本市においても、特定家畜伝染病の感染防止に関する様々な情報を集めながら引き続き、強い危機意識をもって取組んでいただくよう要望いたします。

 結びに、3月末で退職される皆様方のこれまでの市政進展に対するご労苦に対して、心より敬意と感謝を申し上げ、

   私の質問を終わります。

   ご清聴ありがとうございました。